本音のコラム

■ 「月刊文芸春秋が教えない昭和史 」No.2 2009年03月28日(土) 

ookawa.gif 400×400 90K「太平洋戦争」という呼び方は戦勝国であるアメリカが付けた名称であり当時、日本側の呼称は「大東亜戦争」だった。日本の目的は「大東亜」つまり欧米列強の植民地化となっている東アジア諸国の解放と日本を含めた「共栄圏」の樹立であった。日米開戦当時、大川周明は小冊子「米英東亜侵略史」で日本はどうあるべきかを語っている。
「この戦争はもとより政府が宣言したように、直接には支那事変のために戦われるものに相違ありません。しかも支那事変の完遂は東亜新秩序実現のため、すなわち亜細亜復興のためであります。亜細亜復興は、世界新秩序実現のため、すなわち人類のいっそう高き生活の実現のためであります。世界史は、この日米戦争なくしては、そして日米戦争における日本の勝利なくしては、決して新しき段階を上り得ないのであります」(「日米開戦の真実」佐藤優著・小学館20ページ)
大川周明は東京裁判のA級戦犯となり法廷で前席の東條英機の頭を叩いたことが発端となり精神病院に入院させられ病死している。もともと、奇癖のある大川だから“頭叩き”が精神異常のなせる技でなく単なるパフォーマンスだったのかも知れない。いずれにしても法廷では大川の思想性は裁かれなかった。私はアメリカ政府が恣意的に大川の「米英東和侵略史」を抹殺しようとした、という説を支持する。抹殺せざるを得ないほどの内容だからである。


■ 「月刊文藝春秋が教えない昭和史(あの戦争は侵略だったのか)」シリーズNo.1 2009年03月25日(水) 
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 「教科書が教えない昭和史(あの戦争は侵略だったのか)」という見出しの特集が月刊文藝春秋(09年4月号)に組まれている。半藤一利、福田和也、秦郁彦ら6人が6つのテーマについて意見を述べている。
そのテーマは以下の通り。
(1)国際法で日本は勝利した(日清戦争)
(2)明治の叡智とリーダーシップ(日露戦争)
(3)侵略戦争が遂に禁止された(パリ不戦条約)
(4)連盟に挑んだ“天才”の挫折
(5)激論 悪いのは日本か中国か(日中戦争)
(6)仕掛けられた戦争犯罪の罠(東京裁判)

 そもそも歴史は勝者が書き残し伝承するものだから敗者側の言い分は公正に書き記されることは少ない。このことをしっかり認識する必要がある。とくに「昭和史」となると話は厄介だ。時は経ったとはいえ、昭和元年から数えて現在までたかだか84年余りであり、生々しい利害が絡んでいるばかりか未だに勝者の監視が厳しい。文春の特集ははっきり言って肝心なところには触れていない。かゆいところに手が届かない。『かゆいところ』とは国際金融資本のことである。国際金融資本とはロスチャイルドやロックフェラーに代表されるユダヤ系巨大財閥である。

 文春はかつて雑誌「マルコポーロ廃刊事件」でサイモン・ヴィゼンタール・センター(Simon Wiesenthal Center略称「SWC」)の抗議を受け入れて廃刊の憂き目にあっている。以後、国際金融資本の批判は手控えざるを得なくなった。

 国際金融資本は日露戦争を始め日中戦争の裏で日本政府や蒋介石の国民党政府に資金援助などを行い糸を引いていた。彼らの戦略は争う国の両方に資金援助する、と言う狡猾なもので“漁夫の利”を絵に描いたようなものだ。文春は口が裂けても国際金融資本の戦略・陰謀を暴くことはできない。そんなわけで「文春が教えない昭和史」と茶化し半分のタイトルにした。

 敗戦国・日本に対して戦後、アメリカ政府(GHQ)が言論統制を行いCIAが厳しく対日工作をした。その内容はほとんど未公開だが「秘密のファイル CIAの対日工作{上・下}」(春名幹男著・共同通信社)では具体的な事例が公にされている。本の帯には次のように書かれている。「ついに封印が解かれた!発掘された極秘文書から、知られざる日米関係史に迫る驚きのノンフィクション」。
 “アカ狩り=マッカーシズム”で有名なジョゼフ・マッカーシー共和党上院議員の存在は注目に値する。彼が書いた「共産中国はアメリカがつくった(原題America’s Retreat from Victory)」(SEIKO SHOBO)はジョージ・C・マーシャル元帥を完膚無きまで批判を加えている。太平洋戦争において日本に難題をふっかけ、窮鼠猫を噛むようにし向けた素因となったアメリカの「最後通牒」、いわゆるハル・ノートの原案になんとソ連のスパイが関与していた、という驚くべき事実が明らかにされた。マッカーシーは1950年、国務省に潜む共産党員の名簿を入手したと発言し、ルーズベルト政権が“赤化”していることを暴いた。一方、マーシャル元帥は1953年にノーベル平和賞を受賞し、アメリカ陸軍元帥、陸軍参謀総長として第二次世界大戦でアメリカを勝利に導き、1947年、国務長官に就任。生涯をアメリカに捧げた「偉人」として高く評価されている。
 マッカーシーはマーシャルの不可解な政策決定に大きな疑問を抱き追及。太平洋戦争末期、敗北を覚悟した日本が和平を探っていたという事実をマーシャルは知っていたにもかかわらず病身のルーズベルト大統領にひた隠しにしていた、というのだ。
 終戦間際、日ソ不可侵条約を一方的に破って参戦したソ連を陰でサポートしたとみられるマーシャルに対して「日本の敗北に加担して戦利品を分配する講和交渉の席につくことはクレムリンの利益ではないのか?」と真っ向から批判。
 マッカーシーはマーシャル元帥がソ連と中共に通じているばかりか彼らの利益の代理人的存在だったのではないか、と指摘している。
(以下続く)


■ いかにも胡散臭い「小沢秘書逮捕」 2009年03月10日(火) 

ozawa.gif 400×400 79K 小沢一郎民主党代表公設秘書逮捕について当の小沢代表をはじめ鳩山由紀夫幹事長が慎重ななかにもしっかりした口調で「国策捜査の疑いが濃厚」と指摘。ブログなどでも同様の内容が散見する。私も同意見である。
 
 漆間(うるま)巌官房副長官が「自民党議員に(捜査は)波及しない」と口を滑らしたそうだが、これこそが国策捜査を暗に証明している好例だ。漆間官房副長官の前歴は警視庁副総監、大阪府警本部長などを経て04年8月から07年8月まで警察庁長官。麻生内閣発足の08年9月に中央省庁を束ねる事務担当の官房副長官に就任した。元警察エリートの発言は決して軽くない。恐らく官邸筋から副長官、法務大臣を通じて検察に指示が出されたのだろう。

 パーティー券の問題などで二階経済産業相が釈明にやっきになっている。献金を受けていた小物議員の中にはあわてて西松建設に返金した輩もいるが森元首相をはじめ大物議員はテレビ朝日「サンデー・プロジェクト」の質問に対して「問題ない」と答えている。ならば、ほぼ同一ケースの小沢氏だけがなぜターゲットにされるのか。ここがおかしい。

 政権剥奪の危機を感じ取った自民党はいよいよもって小沢秘書逮捕という小沢責めの奇策を打って出た。かなり、追いこまれている証拠に違いないがどうやら自民党単独ではなく小沢秘書逮捕はアメリカ“奥の院”からの指示があったかも知れない。「郵政民営化見直し阻止」「日米防衛利権継続」、この2点に対して邪魔になる民主党に揺さぶりをかけることこそが急務、と“奥の院”が判断したのだろう。
 
 「迂回献金」を受けた政治家は森元首相をはじめ自民党大物議員の名もあがっているが前述の漆間服官房長官の発言のように「お咎めなし」を決め込んでいる。権力の傲慢極まった、というべきか。

 「郵政民営化見直し」を声高に叫ぶ鳩山邦夫総務大臣と親分の麻生首相にはアメリカ政府から強い圧力がかかっているものと推察できる。つまり、これ以上民営化阻止を進めるとスキャンダルを捏造するぞ、と脅かされているはずだ。鳩山大臣にしてみれば「イッチャンみたいになりたくない」というところだろう。鳩山大臣は東京中央郵便局の建て替えに反対しているけれど恐らく、あげた拳は早急に下げざるを得なくなるだろう。もし、下げたら「やっぱり“奥の院”から圧力がかかったのだな」ということになる。要注目である。

 さて、果たして日本はアメリカに逆らえるのか?という問題だ。私はアメリカではなく「アメリカを動かしている陰の権力、つまり国際金融資本」に対して正面きって戦えるのか?ということこそが大問題だと考える。

 岡崎久彦氏が常々言っている、「日本はアングロサクソンに逆らったら滅ぶ」はある意味で間違いではない、と私は考える。ただし「アングロサクソン」ではなく「国際金融資本」と言い換えるべきだ。岡崎氏は承知の上であえて「国際金融資本」の存在を隠蔽しているとも言える。

 「国際金融資本」が悪の枢軸であることを公言したり追及したりすると社会的に抹殺されかねない。その好例が「植草“国策逮捕”事件」であることから、メディアはもちろん識者のほとんどが言及すらしない。

 ところで、ヒラリー・クリントン国務長官との会談での小沢氏の「第七艦隊で十分」発言だが、これは政権を奪取してから主張すべきだった。この発言がナイ駐日米国大使の逆鱗に触れたことは容易に想像がつくというものだ。大使の背後にはブレジンスキーがお目付役で睨みを利かせている。ブレジンスキーはアフガニスタンをソ連の墓場に仕立てた張本人の一人。現在、オバマ政権の外交顧問。ロックフェラーとともに「外交問題評議会(CFR:Council on Foreign Relations)」」の創設に関わり現在、80歳を越えた高齢でも政治の中心的存在。ヒラリーの「ソフト・パワー」路線はブレジンスキーの要請によりナイ大使がまとめたもの、と言われている。 
 さてさて、小沢民主党は果たして強面ブレジンスキーを相手取って互角に戦えるかどうか、あるとすれば具体的にどう戦うか、を具体的に提示せざるを得ない。しかし、互角に戦える可能性は非常に低い。ブレジンスキーにしてみれば日本の野党代表の手を捻るのはいともたやすい、と思っているに違いない。   
 小沢代表はかつての親分の角栄同様、不本意な失脚となりかねない。二の舞を演じないためにも法廷で「国策捜査」であることを強く国民に訴える必要がある。


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