本音のコラム

■ 鳥越さん、ちょっとトンチンカンじゃないですか? 2006年12月29日(金) 
 12月29日(金)テレビ朝日「スーパーモーニング」のコメンテーターが選ぶ今年の重大ニュースの中で鳥越俊太郎氏が「イラク戦争」をあげた。
他のコメンテーターがニュースを選んだ理由をしゃべっているところに割って入って「あのぉ、ちょっといいですか、イラク戦争は日本の国民は賛成したじゃないですか…」と切り出した。他のほとんどのコメンテーターが「賛成なんかしてませんよ」とただちに反論。鳥越さんは「・・・・・・」、司会の渡辺アナもフォローのしようがなく話題を変えた。一瞬、気まずい雰囲気が流れた。
 鳥越さんのイラク戦争の認識はあきらかにトンチンカンなもの。この人、同番組の現地取材のために、フセイン大統領が米軍に拘束されたとする「穴蔵」に出向いてなんと中に入り込んでみせたことがある。穴蔵に入ったのは日本人では私が初めてです、とスクープを自慢してみせた。米軍の取材許可がとれたからこその取材のはず。いや、むしろ米軍当局から外務省を通じて穴蔵の取材をせよ、という密かな指令が出ていたかもしれない。いずれにしても日米両政府の意向を強く反映させた取材であったと考えるべきだろう。つまり、鳥越さんは当局の思惑通り動かされたロボットだった、と言っても過言ではないと思う。
 すでに指摘し批判したことだがあえてもう一度触れておこう。鳥越さんはハリウッド映画「ユナイテッド93」の新聞広告にヨイショ・コメントを寄せている。(「最新パロディー」ジャーナリストの鳥越さんはいつからホワイトハウスの広報担当になったんだろう?2006.9.10)
ことほど左様に鳥越さんはジャーナリストとしてはいかがなものか?と思うような言動が目立つ。


■ 共同通信からコメントを求められて...。 2006年12月28日(木) 
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佐田行革相のテレビの辞任ナマ記者会見はなんともシドロモドロだった。いったい非を認めるのか言い訳をしているのかよくわからなかった。と、突然、電話が鳴った。共同通信社会部の記者からだ。辞任の感想のコメントを求められたのだがどうもうまくまとまらない。佐田大臣の悲しげな表情がまだ脳裏に残っているもんだから批判の言葉が出てこないのだ。しばらく話しているうちに思いつくまま感想を述べた。そのコメントが12月28日の複数の地方紙に掲載されたはずだ。たとえば熊本日日新聞には2面「総合」の左上の安倍首相のカラー写真の真下、という好位置に掲載されている。
 コメントは次の通り。
「辞任表明の記者会見も分かりにくくて、見ていてみっともない。辞め際が悪いと、国民をなめているようだ。小泉前首相の強権的なやり方がいいとは思わないが、阿部政権になって人材の選択が甘くなりすぎているのではないか。もっとも灰色の人を厳しく切り捨ててしまうと、大臣になる人がいないのかもしれないが。行政改革の担当他姓視線が虚偽報告で辞めたり、政府税調調査会の前会長が官舎の問題で辞めたり、その場しのぎでつくった内閣だったのかな。」

 飲酒運転の同乗者や酒やクルマを提供するなど助長・容認した関係者に罰則を新設することになった。つまり「共犯」ということになる。だったらアベ首相の「任命責任」はどーなんだ。政府の重要ポストを“提供するなど助長・容認”した首相がまったくお咎めなしでは国民に向けて示しがつかないだろう。


■ りそなスキャンダル追及は危険だ 2006年12月25日(月) 
 痴漢容疑で東京拘置所に3ヶ月以上も勾留され現在係争中の植草一秀氏の逮捕の理由はりそなに関する疑惑について触れたからだ、と書いたけれどいよいよもってこれは推測の域を出て当たらずとも遠からずのようだ。そして、非常に恐ろしい状況に突入していると断言していいだろう。

 「りそな銀行、自民党への融資残高3年で10倍」という見出しの朝日新聞12月18日
http://www.asahi.com/politics/update/1218/002.htmlのスクープ記事を書いた記者が記事の掲載の前日に不審な死を遂げている。表向きは「自殺」だが果たしてそうだろうか?日刊ゲンダイが「朝日新聞 敏腕記者が自殺」という見出しに続いて次のように伝えている。

 「朝日新聞の48歳の論説委員がさる17日に自殺した。海に飛び込んで亡くなったというが、この人、かつて敏腕記者として鳴らした。80年代後半に起きたリクルート事件の発端となった疑惑をつかんだことで、戦後最大級の疑獄事件の実態が明るみになった。日ごろはボサッとした髪に黒縁眼鏡をかけ冴えない感じだが、いずれは朝日名物の天声人語を担当するとも目されていた。そんな人物がなぜに自殺したのか、朝日社内は大揺れだ。」

 朝日新聞は大揺れだそうだ。朝日はこの記者の自殺を報じたのだろうか。恐らく報じていないと思う。もしそうだとすれば何か大きな圧力があったのではないか、と推測できる。

 亡くなった記者はスクープ記事以外にも何か重要なことを掴んでいたのかも知れない。それが記事になっては困る人・組織があるのかも知れない。

 いずれにしても「りそな問題」は鬼門だ。
 
 植草氏がブログなどで「りそな救済劇の小泉・竹中インサイダー疑惑」を追及せよ、と書いたことが逮捕への引き金になったのではないかという推測が成り立つかも知れない。
 
 植草氏の痴漢容疑不当逮捕は単なる冤罪ではなくあらかじめ用意周到に計画されたデッチアゲではないか、という疑問はぬぐい去ることができない。
★参考までに「怒りの投稿」のYさんのコメントを紹介します。
(引用、ここから)
[6823] no subject 投稿者:Y 投稿日:2006/12/22(Fri) 11:42
阿修羅で、17日に海に「飛び込み自殺」したとされる朝日新聞論説委員の鈴木啓一さんは、横浜支局にいた1988年に、リクルート事件の発端となった川崎市助役の疑惑をつかんだ(川崎市の助役がリクルートコスモスの未公開株を上場後に売り抜け、1億円の売却益を得ていたとの情報を入手した)実績があるそうです。

鈴木さんが「飛び降り自殺」をした翌日、朝日新聞に大スクープ「りそな銀行、自民党への融資残高3年で10倍」が掲載されたそうです。この記事に鈴木氏が関与していたとの噂があるそうです。

あくまで噂にすぎず、今のところなんの証拠もないそうですが、りそな銀行が自民党への融資を10倍に増やしたという記事を読んで思ったのは、りそな銀行の国有化は自民党がりそな銀行を私物化するために、故意に債務超過に陥らせて税金を投入したのではないか、という疑念です。

あたかも銀行を救済するようなイメージを取り繕いながら、実は政権政党によるとんでもない犯罪が行われていたのではないか、そのことをこの記事は伝えてようとしていたのではないか。もしこの記事に鈴木さんが関与していて、これからその事実を書こうと取材を進めていたのであれば、あるいはすでに証拠を入手し、記事に書こうとしていたのであれば、なぜ鈴木さんが「飛び込み自殺」をしたのか、その理由がわかるような気がするのです。

鈴木さんは48歳。論説委員で、将来「天声人語」を書くことが期待されていた辣腕記者だったそうです。そのような記者が、この寒空の下、海に飛び込んで自殺をするようなことをするでしょうか。そもそも自殺だと断定する根拠はあったのか、誤って海に落ちたのかもしれないし、だれかに突き落とされたのかもしれない。自殺と断定した警察発表をまず疑ってかかるべきですが、鈴木さんの死因に関する続報はいまのところまだ聞こえてこないようです。

朝日新聞では藤田さんを支え、ともに耐震偽装の追求をしていた記者も亡くなっています。この記者の死因については「自殺」「他殺」「病死」説いろいろあるようですが、植草さんの事件についてもわかるように、政権の根幹を揺るがすような犯罪の告発をしようとする人たちが不可解な死や事件に巻き込まれていることを考えると、国民の知らないところで権力によるとんでもない犯罪行為が行われているのではないか、との疑念がわいてきます。問題は警察や検察や裁判所がその仲間であるために、犯罪を裁くことができないということです。

なにかと批判されることの多い朝日新聞ですが、NHKへの政治介入を告発した記事や、今回のりそな銀行の自民党への融資額10倍をスクープした記事など、朝日の記者の中には権力に毅然と戦いを挑む勇気と正義感のある記者たちがいて、その人たちを国民は応援しなければならない、ということです。

自民党に対するりそな銀行融資10倍の記事は、朝日のスクープのあと、東京新聞や日刊ゲンダイでも報道されました。日刊ゲンダイは、りそなが自民党への融資を増やしたのは、公的資金を投入してもらい、助けてもらったのでそのお礼をした、というような論調で、融資はあたかもりそなの意志であるかのように報じていましたが、国有化されたりそなが自分の判断で融資ができないことは自明の理であり、これも追求の矛先をそらすための情報操作の一種だとの印象を持ちました。

朝日新聞頑張れ、と言いたい。
(引用、ここまで)


■ 植草一秀氏の第二回公判の速報 2006年12月20日(水) 
公判を傍聴した人から速報が送られてきた。匿名を条件に公開・転載OKということなのでそのまま紹介します。私の「疑問点」もあわせて一読ください。
<以下、転載>
12月20日東京地裁で10:00より植草一秀氏の公判がありました。今回は、目撃証人という人(検察側の証人で名前は我々には明かしませんでした)の証言です。何と、彼は車両内で植草氏を捕まえたのは私服だったと証言しました。まさか警官だったとは言いませんでしたが、暗にそれに近い表現で、本音がぽろりと出たのではないでしょうか。車両前方に座っていたそうで、その人がすぐに駆けつけて来て植草氏のネクタイをつかみ連行したのだそう。彼もその人は一般人ではないと感じたのではないでしょうか。
本日の証言の前に、蒲田警察署で6〜7時間、検察でも4回も行ったそうで十分の特訓を受けたのでしょう。さすが検察の質問には途切れなく見事な受け答えをしていました。事件を目撃し、すぐに渡辺誠という友達にメールを送ったそうで、そのメールが証拠物件として提出されていました。長いメールで、何回かスクロールがしてあって、その写真が何枚か出されていたのですが、最初の画面でバッテリーが空になっていたのに、後の方ではバッテリーがフルになってたのはおかしいと裁判官が質問したら、充電器を借りて充電しながらスクロールしたのだそうです。スクロールというのは、そんなに電気を食うわけがないでしょう。ねつ造は明らかでしょう。その男性とはどの位の割合でメールのやり取りをするのですかという問いに答えられなくて1週間に一回とか半年に一回とかですかという質問には、そうですと答えた。半年間もメールを出さないかもしれないような相手に、事件の直後メールを出すとはおかしいでしょう。送信メールが49/50となっているのに、返信メールは134/200となっているそうです。これは何を意味するのでしょう。
彼は、目の前に植草氏がいた。彼は女子高生に体を密着させ、前かがみだった。しかし、手に傘やかばんを持っていることは確認できなかった。前かがみで体を密着させていたが、頭は彼女からは離れていた(そんな格好ができるのだろうか)。そのときは、植草氏とは気がつかなかったが、友人がメールで、あれは植草氏ではないかとメールで教えてくれたから、そうかなと思い、ヤフーニュースで調べたら、載っていた。そこには顔写真は載っていなかった。更に植草さんを支援するサイトも読んだ。しかしそこでも植草氏の顔写真は載っていなかった(これも嘘ですね)。自分の目の前にいた女子高生が、体を密着されて、前に逃げなかったのかという質問に対し、前に動いたと思うと答えたのだが、では何歩動いたのかという質問に、一歩も動いていないと訂正した。
被告人席に座っている植草氏を見て、その痴漢をしていた人に違いないかという質問に対し、違いないと答えた。今のほうがやつれたとか、やせたとかとの違いはないかとの追加質問に対しても全く違っていないと答えた。しかし、逮捕前よりやせたのは一目瞭然なのに。
この証人の前方に女子高生が、電車の進行方向に向かって立っており、その後ろに植草氏、さらにその後ろに母と子ども(小学校に入る前)がいて、植草氏と証人の前にも女性が、電車の進行方向に向かって立っていた。女子高生が「子どもがいる前で恥ずかしくないのですか」と発言しているのを彼は聞いたと言う。しかし、自分の後ろに植草氏がいて、さらにそのうしろに子どもがいたのだが、その子どもが痴漢を目撃したのをどうやって確認したというのだろう。
この証人は植草氏が2分間触っていたと証言。しかし、スカートの上から触っていたと証言した。

次回は1月25日午前10時 青木という人の証人尋問なのだそうです。
<転載、ここまで>

さてさて、いかがでしょう。いくつかの疑問点があることに気付かされますね。
疑問点1
目撃証人が「車両内で植草氏を捕まえたのは私服だった」と証言したことです。私服といえば「一般人になりすました刑事」を意味します。しかも、この男は「車両前方に座っていたそうで、その人がすぐに駆けつけて来て植草氏のネクタイをつかみ連行した」という。
疑問点2
証人は「証言の前に、蒲田警察署で6〜7時間、検察でも4回も行った」という。事情徴収又は特訓だったのか?
疑問点3
証人が「友達にメールを送った」。しかも、その友達とは半年に1回くらいの交信しかない。「半年間もメールを出さないかもしれないような相手に、事件の直後メールを出すとはおかしい」との指摘は正しい。
疑問点4
証人は植草氏の後ろにいたらしいが果たして本当に痴漢現場を見たのだろうか。
疑問点5
植草氏の認識について「今のほうがやつれたとか、やせたとかとの違いはないかとの追加質問に対しても全く違っていないと答えた」。逮捕前を知っている傍聴者は「逮捕前よりやせたのは一目瞭然なのに」と感じている。
疑問点6
被害者とされている女子高生が背後の植草氏よりさらに後ろに位置する母子の存在をどうやって認識したのか?しかも高校生が「子どもがいる前で恥ずかしくないのですか」と発言したそうだが本当に発言したのだろうか?

ここで重要なことは証人が車両内に私服らしき人物がすぐに駆けつけてきた、と証言していることです。「私服」云々は明らかに失言ではないだろうか。さらに言えば「証人」もあらかじめ準備された人物ではないか、ということだ。そして「植草氏がかなり酔っていた」ということも考慮にいれなければならないだろう。植草氏は逮捕当日の夜、カラオケ大手業者社長等との酒席で痛飲したばかりか酩酊の度合いを深める薬物を盛られた恐れすらある、と指摘する人もいる。

次回公判、1月25日に第二の証人尋問があるという。どんな証言をするか大いに関心を呼ぶが、「私服」の存在についての植草氏側の追及も見物である。


■ ビョーキと決めつけて植草氏を排除しないで、高野孟さん! 2006年12月19日(火) 
高野孟氏主宰のブログ「ざ・こもんず」に私は植草氏が指摘するりそなのインサイダー疑惑について書いた。これに対して高野氏から次ぎのようなコメントが寄せられた。私の返事も含めてぜひ一読いただきたい。
<以下、引用>
でも“りそな”の話と植草のビョーキの話は別だと思います。

投稿者: 高野孟 | 2006年12月19日 03:05

<以下、私の返事>
高野さん

一回目と今回の植草氏逮捕は立証不十分であり不当逮捕だと思います。植草氏の意見陳述書にあるように今回も目撃者不在です。いきなり2人の男が両腕を強く抱えて駅長室に連行したそうです。この男は目撃者ではありません。だとすればこの2人はどこから現れたのでしょう。そして、この男が駅長室に着く前に蒲田署に通報しています。植草氏は被害者と目される女性とはついに当事者として話し合うことが出来なかったそうです。
 もし高野さんが植草氏と同じような誤認連行されたらどうしますか?私なら被害者だと名乗る女性と話をしようじゃないか、と強く要求します。
 りそなの問題を暴こうとした植草氏が権力にはめられた可能性がある、と考え真相を究明することこそジャーナリズムに課せられた責務ではありませんか?それを怠って植草氏をビョーキ扱いにすることは私は納得がいかないのです。

投稿者: マッド・アマノ | 2006年12月19日 12:40

★ざ・こもんずhttp://www.the-commons.jp/
高野孟氏 
-----<経歴>-----
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任し現在に至る。独立系メディアの総合サイト《ざ・こもんず》の開設に取り組んでいる。
-----<出演>-----
『サンデープロジェクト』(TV朝日系、日曜10時〜)、『朝まで生テレビ!』(TV朝日系、最終金曜25時〜)など。


■ 皇室コント中止の舞台裏 2006年12月19日(火) 
 風刺コント集団「他言無用」が皇室を茶化したのはけしからん、と右翼のみなさんに抗議を受けて謝罪と公演中止を行った。
 そもそも事の発端は週刊新潮(12月17日号)が次のような見出しでコントを批判したことから始まる。
「特集 悠仁親王は『猿のぬいぐるみ』!『陛下のガン』も笑いのネタにした『皇室中傷』芝居 」。
 事のてん末について東京新聞(12月19日)の「こちら特報部」で見開きの大特集を組んでいる。まずはかいつまんで紹介しよう。
 「ご皇室を敬愛される国民各位に多大な御不快の念をお与えしました。今後、ご皇室を寸劇でパロディーにしない由、堅く御約束申し上げます」
 冒頭から「他言無用」の謝罪文だ。
おいおい、ちょっと待ってくれ。「皇室をパロディーにしない」などと断言しちゃっていいのかいな?まるで戦時中の「不敬罪」じゃないか。表現者がこれほどイージーに自主規制しちゃっていいもんだろーか。
 「他言無用」のみなさんに強く言いたい。「安易にパロディーという言葉を使わないでいただきたい」と。なぜならば今回問題となったパフォーマンスは皇室に対するパロディーとして成立していたのか、という疑問が残るからだ。
 「他言無用」のメンバーは風刺コント集団の元祖とも言える「ザ・ニュースペーパー」に所属していた。ニュースペーパーのプロデューサー、杉浦正士氏は語る。「われわれの作品は思想劇ではない。反皇室でも親皇室でもなく、ニュースとして取り上げ、人間を演じてきたという自負がある」「(自分たちのコントは)お客さんの共感を得られれていると思う。メンバーは演じている小泉前首相にも、(皇室)ご一家にも共感を持って演じており、最初に人間の情がある」と人間味を強調している。さらに「(『他言無用』は)載せられてしまった面もあるようだ。根本をいえば、思想のない人間が思想を演じてしまった悲劇。班皇室や反体制を演じることと、われわれの芝居は違うと思う」と厳しく批判する。
 さて問題のパフォーマンスはこうだ。美智子皇后が秋篠宮殿下夫妻の子ども、悠仁親王(猿のぬいぐるみ)を抱いて登場。これに対して杉浦氏は「僕たちは子どもを猿にして放り投げたりするなど、人が嫌だと思うことは絶対やらないし、民間から皇室に入って苦労した人を描いている」と立場を明確にする。
 ところで子どもを放り投げるくだりについては週刊新潮に詳しい記述がある。
「“美智子皇后”は、そのぬいぐるみに向かって、 『ヒサヒト!ヒサヒト!』と声をかけながら、その猿の顔を客席に向けたり、ぬいぐるみの腕を動かしたりする。 場内は大爆笑。 やがて、抱いている猿のぬいぐるみに向かって、
『ヒサヒト! お前は、本家に男の子が生まれたら、お前なんか、イーラナイ!』
と叫んで、舞台の左側にポーンと放り投げるパフォーマンスが演じられた。
だが、このシーンで場内は静まり返った」
  舞台の左側にポーンと放り投げるパフォーマンスは多分、想定外だったのだと思う。これについて杉浦氏は「乗せられた」と感じたのだろう。
 「他言無用」のメンバーは週刊金曜日主催の「ちょっと待った!教育基本法改悪 共謀罪 憲法改悪 緊急市民集会」といういわば内輪のお客を相手にしている、という安心感があったことは間違いない。
 「いかりや日記」というブログhttp://d.hatena.ne.jp/ikariya/20061215/p1
に書かれているコメントはかなりマトを射ている。
「私が皇室を風刺する台本を書くなら、『宮内庁民営化計画で雅子様もお元気に』とか『絶滅危惧種コーゾックを護れ』とかいうのにします」。
 
★新聞記事では「パロディー」と記述していますが私は常に「パロディー」と音引きなしで使用していることをお断りしておきます。


■ 息子の「ただ働き」を言い訳の材料にする石原都知事は哀れだ。 2006年12月19日(火) 
 17日夜10時からの爆笑問題が司会する「スタメン」(フジテレビ系)に生出演した石原都知事は四男に対する厳しい質問や追及に「出張先で絵を描いたがその代金は貰っていない。旅費を都が払うのは当たり前」と釈明。しかも二言目には「ただ働き」を強調したが説得力がないばかりか息子可愛さばかりが目立ってしまいいつものゴーマンな受け答えに反比例してむしろ哀れさえ感じた次第。四男をめぐっては、都関連事業で欧州に出張し、都費から55万円、都委託費から126万円が支出されたことが明らかになっている。果たしてこれだけの費用をかける必要があったのか?
 追及されることを覚悟で生出演した知事は恐らく来春の都知事選を睨んでの効果を期待したに違いない。そうでもなければこの時期に出演するはずがないだろう。しかし、物事は計算通りにはいかないものだ。「ただ働き」だからとやかく言われる筋合いはない、という弁解に視聴者の何パーセントがナットクしただろうか。
聞くところによると問題の四男も来夏の参院選に自民党から出馬するらしい。そのための話題作り、知名度アップ戦略だとしたらあまりにあざとすぎやしないか。


■ 植草一秀氏の「意見陳述書」 2006年12月11日(月) 
 痴漢容疑で逮捕・拘留中の植草氏は12月6日の第一回公判で提出した意見陳述書の公開を希望しています(転載可)。「最新パロディー」にも書いたとおり私はえん罪だと信じます。第一回目の逮捕・拘留・有罪も同様にでっち上げであると思っている。一市民と異なり植草氏は執拗に小泉政権の「構造改革」を批判し最近は「小泉・竹中のりそな銀行インサイダー疑惑の追及」を声高に訴えていた人です。インサイダー疑惑について書いた本が大手出版社から発売される予定だったらしい。これが世に出ると小泉・竹中はもちろん、米国の“奥の院”に大きなダメージが及ぶことは間違いないらしい。そこで小泉は不当逮捕を承知で強権を発動した、と見るのが妥当ではないか。
 文芸評論家であり哲学者の山崎行太郎氏は自身のブログに「この事件は単なる痴漢疑惑事件ではなく、政治事件、つまり政治犯罪ということだろう。事件そのものの中身はともかくとして、長期拘留に至っている目的が、植草教授の『口封じ』であることに間違いない」と鋭く指摘している。さらに「一部のマスコミでは、すでに、『植草無罪』『デッチアゲ説が濃厚』『被害者女子高生が怪しい』という線から記事にすべく動いているらしいが、はたしてどうなるのだろうか。いずれにしろ、裁判の結果がどうであれ、小泉、竹中、飯島あたりが高笑いしていることは間違いない。彼等から見れば、目的はすでに充分に達成されたからだ……(笑)」と逮捕劇の本質を見抜いている。

意見陳述書

平成18年12月6日

東京地方裁判所刑事第2部 御中

被 告 人  植  草  一  秀

 私は、平成18年9月13日夜、ある宴席に出席し、その場での特別な事情もあり、お酒を大量に飲みました。その結果、しばらくして強烈な睡魔に襲われる酒酔いの状況に陥り、このことが私が今回の事件に巻き込まれる一因になりました。その結果として、これまで私を支援してきて下さった多くの皆様に多大なご迷惑をおかけしてしまうことになり、この点については大変申し訳なく思っておりますと同時に、お酒を飲み過ぎたことを深く反省しております。

 強い睡魔に襲われる酒酔い状態にあったために、私が本来帰宅する方向とは逆方向に向かう電車に乗ってしまいました。電車に乗り込む際には、逆方向に向かう電車であることに気付いたのですが、反対ホームに行くのは面倒だと思い、そのまま電車に乗ってしまいました。

 それでもその後に、やはり降りようかと思った瞬間にドアが閉まり電車が発車してしまいました。

 自分が乗ってきたドアの方向に向かい眠ったような状態で立っていたところ、少しして少し大きめの声が聞こえたので目を開けましたら、私の前方の少し離れた所にいた女性が、その女性がそれまで立っていた位置を左回りに振り返りながら、私の右斜め前方、1〜1.5メートルほど離れた場所に移動しながら、「子供がいるのに」といったことを言うのを目撃しました。

 私は「痴漢騒ぎかもしれない」と感じて、「絶対に関わり合いになりたくない」と思い、少し右を向いて、元の姿勢のまま目をつぶって立っておりました。

 それから20〜30秒ほどした時に突然私は左側とうしろ側を誰かに強く掴まれました。自分が犯人に間違われたと思い、がく然としましたが、自分が人によく知られている身でしたので、ここで騒ぎにしたくないと思い、大きな声も出さずに駅に到着するのを待ちました。駅に着いたら、女性に事情を聞き、私が無関係であることを理解してもらわなければならないと思っていました。

 駅について、当然その女性と話ができると思っておりましたが、おそらく二人だったと思うのですが、私を掴んだ人たちが強烈な力で私を押さえつけて、事務室の方向へ連れて行きました。途中で私は何度も「女性と話をさせてくれ」と言いましたが無視され、上半身が全く身動き出来ないような強烈な力で押さえられ、駅事務室の左側の小さな部屋に私一人だけが、連れてゆかれました。

 11月10日過ぎに受け取った検察官開示記録によると、私を掴んだ人達は事件を目撃していない二人の民間人の男性であったとのことですが、それならばなぜ、私が女性と話をしようとするのを力づくで阻止し、私一人だけを女性とは別の事務室に連れていったのか、非常に不自然であるとの思いを拭えません。

 事務室の入り口の所に体格の大きめな駅員がおりましたので、「とにかく女性と話をさせてくれ」と告げて事務室を出ようとしたところ、その駅員に制止されました。激しくもみ合った末に結局阻止され私は椅子に座りました。

 私は、「このままでは私が犯人にされてしまう。そうなればマス・メディアは無責任で一方的な情報を土石流のように氾濫させ、家族が想像を絶する報道被害に直面する。あげくの果てに有罪にされてしまうかもしれない。家族の報道被害を最小に食い止めて家族を守るには、いま私が命を絶ち、すべてを遮断するしかない。命を絶つとすればそのタイミングは今しかない」ととっさに判断し、駅員が外側を見ているすきに、ネクタイをはずして、そのネクタイで自分の首を絞めて自殺をはかりました。ところが、その途中で駅員が気付き、力づくで阻止されました。私は放心状態に陥りましたが、まもなく警察官が来て、事件については何も聞かれることなく、警察署に連れていかれました。事件について私は当初より一貫して無実を主張して現在に至っております。

 その後のマス・メディア報道においては、テレビ番組においても、タレントや弁護士の立場にある者までもが、未決収容者にある私をあたかも確定者であるかの如くに扱う発言を繰り返すことが放置され、また週刊誌なども私が過去に痴漢事件で何度も示談をしたことがあるなどの事実無根の情報を流布するなどの状況が放置されております。私が懸念した報道被害は現実に生じております。

 検察官は、「否認を続ければ、裁判で私生活を攻撃して家族を徹底的に苦しめてやる」と学校等でのいじめを意図的に誘発するとも受け取れる発言を繰り返し、また警察官は、「否認して裁判になれば必ずマスコミのえじきになる」、「否認すれば長期の勾留となり小菅に移送される」と繰り返し述べ、罪を認めることを迫り続けました。

 現実に現在私は長期間勾留され、また私が営んでおります事業の顧客データも押収されているため、私の経営している零細な事業にも重大な支障が生じております。

 それでも私は、自らの誇りと人間としての尊厳に鑑みて、事実に反して罪を認めることはできないと考え、無実の主張を貫いて現在に至っております。

 裁判所におかれましては、予断・偏見を持たれることなく、被告事件について、適正な手続に基づいて真相を究明し、関係法令の適正な運用に基づき正しい判決を下されますよう強くお願い申し上げます。

以 上


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