本音のコラム

■ 米退役軍人を怒らせたTIMEの表紙 2008年04月25日(金) 

grp0425215751.jpg 378×500 66K 米週刊誌TIMEの4月28日号の表紙が米国の退役軍人から総攻撃にあっている。ブログなどで大騒ぎだという。28日号は22日のアースデーに合わせて、地球温暖化対策に関する記事を特集している。太平洋戦争中の激戦地となった硫黄島の擂り鉢山に星条旗を立てようとしているあの有名な写真の星条旗の部分を緑の大木にすり替えているのだが、これが退役軍人にとっては「とんでもない侮辱だ。こんなことをしたやつは地獄に落ちるだろう」ということになる。そして、さらに「温暖化は『ある』という人も『ない』という人もいる」と温暖化論議に対して懐疑的であることも述べている。この点は正しいと私は思う。一方、TIME編集部は「退役軍人に最高の敬意を払っており、この写真の持つ力もよく理解している。米国人の勇敢さと奉仕の心を象徴したこの写真を表紙に使うことは、米国が直面している新たな挑戦を強調するのに適切だと考えている」と弁明これつとめている。(朝日新聞夕刊08.4.25)
私は退役軍人が目くじら立てることに違和感を覚えるけれど地球温暖化というテーマそのものがかなり胡散臭いものと認識している私はどっちもどっち、という感じがする。それでも影響力から考えればTIMEの罪の方が数倍深い、と言わざるを得ない。地球温暖化のいかがわしさについてはあらためて触れるつもりだ。


■ 映画『靖国』に関する緊急記者会見 録画中継(オンデマンド)4月10日午後4時より 2008年04月08日(火) 
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 ドキュメンタリー映画「靖国YASUKUNI」の公開をめぐって大きな問題となっている。右翼団体の抗議デモを懸念して上映を見合わせる映画館が続出したが、それでもいくつかは上映に踏み切るという。
 日本在住の中国人監督、李纓(り・いん)氏は『南方週末』紙の記者の取材に答えている。
(引用、ここから)
 問 このドキュメンタリー映画を制作する際、またはその前に、なぜ日本では今日になってもこの題材に触れた人がいないのかということをあなたは考えたことがあるかどうか?
 答 ない。その時、私も知らなかった。のちにこの映画を制作する過程で、資料を探すため、いくつかの映画のフィルムを参考することになり、調べてみると、みんながこの内容に関するいかなる映画も制作したことはないと言うのだった。その後、撮影の仕事は非常に困難で、私も撮影を続けることができなくなり、日本の監督協会理事長の崔洋一氏をたずねた。氏は在日朝鮮人の二代目で、日本生まれの方であった。私は日本側に頼んで私と力を合わせてこの映画を完成する可能性があるかどうかと彼に尋ねた。彼はそれを耳にすると、不可能だ、すべての人がこの問題を回避しているのだと答えた。
 その時、私もどういうわけなのかと考えた。その原因はのちに私が仕事を続ける過程ではじめてだんだん体得することになった。一時期続けてみたが、余りにも難しく、直面する問題が多すぎ、まさに乗りかかった船となった。多くの日本人は私よりずっと先見の明があり、ずっと困難がどこにあるのかを知っており、私は世間知らずもいいところでこれらのことをぜんぜん知らずに、がむしゃらに前へ進んでいたのだ。(引用、ここまで)
このあと、李纓監督は中国と日本の文化の違いについて「(日本人学者は)天皇は最高の象徴であると考えている。これも日本文化の自己優越感の潜在的なエッセンスである。問題の複雑性はほかでもなくここにあり、彼らは靖国神社の祭祀は天皇の尊厳と儀式であり、簡単にこの伝統を否定すれば、日本の最も重要な儀式はなくなってしまうと思っているため、それを受け入れない。彼らは戦争の問題と戦争の責任の問題を冷静に持ち出して考えることを知らないのだ」と語る。(「北京週報日本語版」 2007年11月8日)

 実は私はまだ「靖国」を観ていない。従って内容についてのコメントはできない。とは言え、上映に対して何らかの圧力がかかって上映に支障が出ることだけは何としても阻止したい。
 ただ疑問に思うことは文化庁が3000万円という巨費を出資していることだ。過去には“反日偏向”と言われている監督の「パッチギ」や日韓合作映画「あなたを忘れない」にもそれぞれ3000万円を出資していることを考慮に入れると、どうやら非常に政治的な臭いの強いものであることに気づく。つまり靖国神社に対する中国人の反発に対して映画「靖国」は“ガス抜き”の役目を担っているのではないか、という推測だ。
 いずれにしても映画を観てから本質に迫ることにする。
★文化庁からの助成金の金額については3000万円ではなく750万円ということらしい。
産経ニュースの記事を参照。
(引用、ここから)
映画「靖国」に文化庁系独法が750万円助成 自民党から異論噴出 助成金の見直しも
2008.3.13 18:57

 4月12日に公開される映画「靖国 YASUKUNI」(李纓監督)が文化庁所管の独立行政法人「日本芸術文化振興会」から750万円の助成金を受け取っていたことが13日、分かった。自民党内からは「政治的宣伝意図を有しない」との助成要件を満たしていないとの見方が出ており、党伝統文化調査会で助成制度のあり方を検討する方針だ。
(引用、ここまで)


緊急連絡


映画『靖国』に関する緊急記者会見が2008年04月9日に行われ翌日、李纓監督をはじめジャーナリストたちの発言を収録したものがオンデマンドにより放送。下記URLで無料視聴可能。

■視聴URL 
http://www.ourplanet-tv.org/whats/2008/20080409_12.html

【日時】
4月10日(木) 13:00〜15:00
13:00〜 映画『靖国』配給・宣伝担当者から
13:15〜 映画『靖国』李纓監督
13:30〜 ジャーナリスト・メディア研究者の発言
※16:00〜オンデマンド配信を開始します。

【司会進行】
土井敏邦、安岡卓治、綿井健陽

【会見出席・発言予定者】
石坂啓、魚住昭、是枝裕和、斎藤貴男、坂本衛、篠田博之、
鈴木邦男、田原総一朗、豊田直巳、野中章弘、服部孝章、
原寿雄、広河隆一、森達也ほか。


「靖国 YASUKUNI」公式ページ



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