■ 天木直人氏と憲法9条
2007年08月01日(水)
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| 9条ネットから比例代表で立候補した天木直人氏があえなく落選した。しかも得票数がたったの2万9000ちょっとという惨たんたるもの。ちなみに黒川紀章氏の「共生」から出馬した妻の若尾文子さんでさえも6万5000余りだし「国民新党」のフジモリ氏は選挙運動ゼロで5万2000弱である。 9条ネットの得票数は18万弱、得票率は0.4%。「女性党」の53万、1.1%にも差を付けられている。ちなみに田中康夫氏の「新党日本」が114万、3.0%、「国民新党」が68万弱、2.1%だから9条ネットの少なさは群を抜いていることになる。 天木さんは駐レバノン特命大使でありながら小泉政権の「自衛隊イラク派兵」を批判し解任され辞職し、その後「さらば外務省」、「さらば小泉純一郎」という本の著者として話題を呼んだ人として知る人ぞ知る御仁である。私は直接、何度か天木さんに会う機会があり彼の政治的信条に賛同する部分もあることは間違いない。とくに彼が強く主張する「対米従属外交によって日本を見失っていったこの国の政治の誤りを正すべき」は正論である。7月11日の天木さんのブログには「夢がもうすぐ実現する」と題して「何があっても憲法9条を変えてはならぬ」と訴えている。当選後は「私は他の誰よりも意義のある、具体的な成果に結びつく行動をとることが出来ます」と自信をのぞかせている。しかし、結果は落選だ。私は出馬宣言をした天木さんを傍目で見て「当選はかなり難しい」と思っていた。正直言えば「惨敗」だと思った。もちろん彼には当選して欲しいという気持ちに変わりはなかったのだが…。 8月1日のブログに天木さんが「今回の敗北をバネとして」という敗北の弁を語っている。 「今度の敗北ほど惨めに思った事はなかった。その結果私ははじめて本気になって選挙に勝ちたいという心境になった。見果てぬ夢に終わるかどうかはわからないが、私は今度の敗北を契機に初心にもどって次回選挙に必ず勝てる道を探ることにした」と復活の意志を表明している。正直言って元気だなぁ、と思った。このエネルギーはいったいどこからくるのか。次の選挙と言えば衆議院だろう。これに向けて闘う心の準備はできている、ということなのだ。 選挙のテーマは「『日米軍事同盟に代る安全保障政策の確立』であり、『基地なき日本の実現』」だそうだ。 天木さんは今回の敗因を分析する。 「今度の選挙の惨敗は、みこしである私と、みこしをかついだ9条ネットの双方が力量不足であった結果である。だから私は自分自身の力量不足を素直に認識し、この歳になってつらいことではあるが更に自己研鑽に務める。その一方で次回はより強力な担ぎ手を捜す必要がある。選挙に勝つことを知っている担ぎ手が必要だ」。 天木さんの政治活動で一番懸念される点はまさに「担ぎ手」の有無である。しかし、思想的にはかなり共通点のある共産党や社民党とのすり合わせが感じられないことも事実だ。“選挙に勝つことを知っている担ぎ手”とは誰なのか?私には無い物ねだりに感じられる。 天木さんは最後にこう書いている。 「次回に負けは許されない。そのためにどういう方法があるのか。今はわからない。しかしこれから起きるであろう政界再編をふくめたあらゆる状況の変化の中からおのずと見つかると思っている。見つからなければそれまでである。その時まで私は淡々とブログを書き続けていきたい」 天木さんが単なるごまめの歯ぎしり、ドン・キホーテに終わらないためには“淡々とブログを書き続ける”だけでいいのだろうか?
★ 天木直人のブログ http://www.amakiblog.com/index.html
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