■ 『遊就館』、“反米”の展示物を撤去へ 米国の圧力か?
2006年09月09日(土)
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ジャーナリストの山岡俊介氏が自身のブログ「アクセス・ジャーナル」(9月7日)に「『遊就館』、“反米”の展示物を撤去へ 米国の圧力か」と題して元駐英大使の岡崎久彦氏の言葉を引用しつつ靖国神社が展示物の記述について大幅な見直しを行う、と書いている。 変更箇所は「ルーズベルトの大戦略」と題したコーナーの第二次世界大戦の戦略に関する記述だ。 岡崎氏は産経新聞(8月24日)に「遊就館から未熟な反米思想を廃せ」と題して次のように書いている。 「この展示には、日本では他の国より弱いかもしれないが、世界的にどこでもある反米主義の一部が反映されている。過去4年間使われた扶桑社の新しい教科書の初版は、日露戦争以来アメリカは一貫して東アジアにおける競争者・日本の破滅をたくらんでいたという思想が背後に流れている。そして文部省は、その検定に際して、中国、韓国に対する記述には、時として不必要なまでに神経質に書き直しを命じたが、反米の部分は不問に付した。 私は初版の執筆には全く関与しなかったが、たまたま機会があって、現在使用されている第2版から、反米的な叙述は全部削除した。」そして 遊就館の記述に対して「戦時経済により、アメリカが不況の影響から最終的に脱却したことは客観的な事実であろうが、それを意図的にやったなどという史観に対しては、私はまさにウイル氏が使ったと同じような表現−歴史判断として未熟、一方的な、安っぽく、知性のモラルを欠いた、等々の表現−しか使いようがない」と保守派の論客として知られる歴史家、ジョージ・ウイル氏の論説を掲げ批判している。 おいおい、そこまでアメリカさんの肩を持つんかい! アメリカが経済封鎖に踏み切り無理難題のハルノート(最後通牒)を日本に突きつけたことこそが戦争勃発の主原因、というのは歴史家も認めるところじゃないのか。「意図的にやった」ことは間違いないのに岡崎氏はこれは間違いだと言う。最後に居丈高に言う。「私は遊就館が、問題の個所を撤去するよう求める。それ以外の展示は、それが戦意を鼓吹する戦争中のフィルムであっても、それは歴史の証言の一部であり、展示は正当である。ただこの安っぽい歴史観は靖国の尊厳を傷つけるものである。私は真剣である。この展示を続けるならば、私は靖国をかばえなくなるとまであえて言う」。 果たして「安っぽい歴史観」かどうか、安倍晋三氏はどう考えるのか?岡崎氏との共著もある安倍氏だがアメリカさんに都合の悪い記述は歴史をねじ曲げても書き換えるか削除させるんだろうか。安倍氏の外交ブレーン的存在の岡崎氏の「ブッシュの良い子ちゃん」ぶりには首を傾げざるを得ないばかりかこれでハッキリしたぞ、安倍政権の「米国隷従路線」が。
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