本音のコラム

■ 厚労省が戦没者遺骨収集専門チームを結成 2005年06月27日(月) 
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 26日(日)の東京新聞「本音のコラム」に「ブーゲンビリア」というタイトルで遺骨収集について書いたところ、何と翌日の27日の東京新聞朝刊1面にデカデカと「戦没者遺骨収集へ専門班」の見出しが踊った。思わず我が目を疑ったのだがたしかに「厚労省が創設方針を固めた」というものだった。しかも、私が紹介した海外の戦域の地図とそっくりのものがカラーで載っていて、戦没者概数と残存遺骨概数が記されているではないか。
 尾辻厚労相は遺族会の副会長という立場もあって遺骨収集には特別、積極的なのだと思う。27日は天皇、皇后両陛下が激戦地だったサイパン島に慰霊訪問した。テレビがその模様を報じていたけれど集まった人々のなかから「天皇陛下万歳!」の歓声が上がったのには言葉にならないほど違和感を感じた。両陛下は今後も各地を訪問するという。アジア諸国への"謝罪行脚"も当然、日程に入れる必要があるだろう。しかし、最も重要なことは、最終的にアメリカのアーリントン無名兵士の墓地に慰霊訪問した後、ぜひ、次のような声明を読み上げていただきたい。
 「わが国も反省していますが米国が広島・長崎に原爆を投下し、30万人もの罪のない非戦闘員を殺害したことの反省をしていただきたいと切に願います」と。そして、8月6日と9日、ブッシュ大統領が広島・長崎に慰霊訪問し、「二度と過ちを繰り返しません」と誓うことを約束させていただきたい。


■ ブーゲンビリア 2005年06月26日(日) 
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 数年前に玄関先に植えたブーゲンビリアが初夏になると赤紫の花を咲かせる。今年は空ツユのせいか太陽をいっせいに受けてその美しさはひときわ目立つ。南国の花がなぜ東京でたわわに咲き誇るのか不思議だったのだがついにその謎が解けた。前にも書いたのだが妻の父親は60年前にニューギニアのウエアクというところで自決、殉死した。遺骨は未だに戻らないままだ。生前、戦地から手紙とともにブーゲンビリアの押し花を送ってきたという。地図で確認したところウエアクの近くに激戦地として知られているソロモン諸島があり何とブーゲンビルという名の島があったのだ。ろくに肥料もやらないのにこれほど元気よく咲いているのは妻の父親の"念力"だった、とあえて思う。
 大東亜戦争時に海外の戦場で死没した軍人・軍属の数は約210万人、戦火に巻き込まれて死亡した一般邦人約30万人で、合わせて240万人に及ぶ。収集奉還された遺骨は、復員時に戦友に抱かれて帰国したものを含めて現在までに約124万柱に達している。約半分の120万の遺骨が未収集のままなのだ。しかも、遺骨が人目に晒されて野ざらしにされている例もあるという。靖国参拝でお茶を濁す前に英霊の眠る全ての海外戦場跡地を訪問すべきじゃないですか、小泉さん!

(東京新聞 「本音のコラム」05.6.26)

★大東亜戦争における主要戦域別戦没者数一覧図(千鳥ケ渕戦没者墓苑奉仕会)
★赤マルはウェアクとブーゲンビルの位置を示しています。
★トップページのブーゲンビリア(6月26日現在)をもう一度ご確認ください。


■ 日航の国営化 2005年06月19日(日) 
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 前輪タイヤ二本が外れた日本航空のトラブルで多くの旅客機が各地で足止めを食った。実は私も熊本空港で約一時間待たされるハメとなったのだがたまたまロビーでマリナーズのイチローの試合をテレビ観戦できたのがせめてもの救いだった。しかしちょっと待てよ、このままなんのギモンも抱かず喜んでいいものか首を傾げてしまった。
 台風のような天災ならたとえ欠航でもあきらめがつくけれど今回のは人災の疑いが濃いから文句の一つも言いたくなる。新聞によれば機長昇格を目指す副操縦士が訓練で着陸を担当したという。機長らは「急激な操作はしていない」と釈明。まさか、操縦が未熟なもんで、とは言えないだろう。右側のタイヤは表面に新しくゴムを張り直した「再生タイヤ」で、五回目だという。六回までは認められている、と日航はこともなげに弁解するけれど、オイオイ、中古タイヤだけはやめてくれ、と声を大にして言いたいよ。
 私の席のまわりの乗客は遅延のため大いに困惑していた。結婚式に間に合わない人、講演の講師をキャンセルした人、成田空港の国際便乗り継ぎをあきらめた人などだが誰もが異口同音に日航は"国営"にすべきだ、と皮肉混じりに怒っていた。

(東京新聞 本音のコラム 6月19日)


■ 商標登録「風太」 2005年06月12日(日) 

grp0612101927.jpg 160×198 16K 立ちポーズが可愛い、と人気沸騰のレスターパンダ「風太」だが、この名前を動物園が登録するという話を聞いて、なんとあざといことか、と思った。そうこうするうちに風太が登場するCMが早くも現れた。飼育する千葉市動物園に出演料とネーミング使用料がさぞやガッポリ入るんだろうな、と思うとちょっぴり癪にさわる反面、うらやましくも思う。我が家のメインクーン種の猫に逆立ちを教え込んでCMに使ってもらおうと密かに企んでいるのだが高齢のためか覚えがすこぶるにぶい。しかも、チャーちゃん という名前がイマイチ、と周囲の不評を買っている。むりやり逆立ちさせて動物愛護協会あたりからクレームがついたのではやりきれないしね。 少し前、アザラシのタマちゃんについでカモちゃんまで登場したのにはいささか辟易とさせられたけれど、さすがにタマちゃんの名前を登録する人はいなかったとみえる。
 ところで、4月末に渋谷区で目撃され5月には北区まで北上した"放浪猿"のその後の行方はどうなったんだろう。赤羽駅の近くの屋台で「おでんを食べながらチューハイを呑んでいた。顔と尻が真っ赤だった」という私の友人の目撃談はあまりあてにならない。それにしても同じ動物でもこうも人気に差が出るとは世のなか厳しいよね。

(東京新聞 6月12日(日) 本音のコラム)


■ クール・ビズ合戦 2005年06月05日(日) 
 環境省の音頭とりで始まった「夏のビジネス軽装(愛称クール・ビズ)」キャンペーンだが小池百合子環境相までが「夏、男性がネクタイをはずせば、女性のひざ掛けがいらないオフイスになります。」と<みんなで止めよう温暖化」>広告に登場して軽装のすすめを訴えている。百貨店には早くもクール・ビズ・ルック・コーナーが出現した。経済効果も見込めるらしい。
  衆院予算委員会の小泉首相と岡田民主党代表の討論と同じように二人の"クール・ビズ"ぶりはどっちもどっち、ファッション・センスはお世辞にも及第点はあげられない。 ノーネクタイ・長袖の首相に対して、なぜか岡田さんはネクタイをしめている。キチンとした性格を強調したかったのかも知れないが長袖を肘までまくり上げているのはいただけない。
 靖国参拝について「私が首相なら参拝はしません」と見えを切る岡田さんに対して首相は「参拝は心の問題。他国が干渉すべきでない」と笑みを浮かべながら答弁。真っ正直な質問ばかりの岡田さんに対して"心"を持ち出すあたりは首相のほうが役者が1枚も2枚も上。「それほど参拝したけりゃ首相官邸内敷地に靖国を移転したらいかがなものか?」と皮肉たっぷり、クールに応戦すれば軍配はあなたにあがったはずですよ、岡田さん。

(東京新聞 6月5日(日) 本音のコラム)


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