本音のコラム

■ 9.11報告書 2004年07月25日(日) 
 「9.11テロを察知する機会を少なくとも10回は逃した」とホワイトハウスの失策を鋭く指摘した最終報告書が独立調査委員会から公表された。具体的にはCIAとFBIに不手際があった、というのだが果たしてホントだろうか。今アメリカでは9.11テロはブッシュ政権の自作自演疑惑が、主にネットの世界で吹き荒れている、と前にも書いた。この報告書もなんだかとても怪しい。なぜ怪しいのか、具体例をあげよう。ペンシルバニアで墜落したとされる93便は実は米空軍機によって撃墜されていたことが明らかになった。当初から噂として流れていたのだが証拠が不十分だった。ところが今回はなんとパイロットの名前まで発表されている。なぜ撃墜したのかその理由はいずれ触れることにする。貿易センタービルの2番目、サウスタワーに激突した175便は窓がまったくなくミサイルを搭載した軍用機だった。(http://letsroll911.org/)これでも、この事件がテロリストの仕業というのか! ブッシュ大統領はアイオア州の共和党支持者との討論集会でこんな発言をした。「誰も『戦時大統領』にはなりたくない。私は『平和の大統領』になりたい」と。とつぜん平和、平和と唱えても"ハトのぬいぐるみを着たタカ"に違いはないんだよね。
(東京新聞 7月25日)


■ 四国巡礼 2004年07月18日(日) 
 3人の男が偶然ある所で出くわした。一人はすげ笠に白衣、頭を短く刈り上げ教典を手にしている。よく見ると前民主党代表の菅さんにそっくりだ。もう一人は白髪まじりのライオン・ヘアー、少しやつれ気味で参院選で大敗したどこかの政党の総裁に似ている。
 「おやおや、あなた、どこかで見かけた顔だが?」やつれ男が声をかけた。すげ笠男が応えた。「これまで後ろを振り返らずに走りつづけてきた。今後、何をするにしても、その前に一度立ち止まって、自分を見直したいと思って、ここ徳島県鳴門から歩いて高知県の室戸岬を目指して遍路します」と。「走りつづけると膝を痛めるそうだ。自分を見つめ直すことはいいことだ。ナルシストの私はいつも鏡で自分を見つめている」。やつれ男の言葉に異論あり!と言いたげにすげ笠男が口を挟んだ。「勘違いも甚だしい。空海が修行した四国八十八カ所巡りだから難行そのものです。あなたが国会でやってることは"人生いろいろ"などと空念仏を唱えるばかりでまったく政策改革の実体がないじゃないですか!」。すげ笠男と同行の"三度笠と合羽(かっぱ)"の男が長めの楊枝(ようじ)をくわえながら吐き捨てるように言った。「冷房の効いた公用車でクジラ見物に出かけるような男など、あっしには関わりござんせん!」。


■ 曽我さん一家再会茶番劇 2004年07月11日(日) 
 自民党の選挙スローガン「この国を想い、この国を創る。」は真実を隠し国民を煙に巻くものだから「あの米国を想い、この属国を創る。」と"添削"、間違いを正したパロディーを創った。これに対して安倍晋三自民党幹事長が「名誉棄損だ」と私宛に「通告書」を送りつけてきたことは前回の当コラムで触れた。おかげで私のホームページのアクセス数が何と一日五千に跳ね上がるほどの大フィーバー。「よくぞ言ってくれた。小泉政権と自民党の本音をついた傑作だ」「『人生いろいろ』など国民をバカにした発言をした首相をさらに茶化しまくって欲しい」といった声が多数寄せられている。そこで曽我さん一家の再会を選挙利用する"茶番劇"演出のアザトイ自民党と小泉総裁に二つの"添削パロディー"を進呈する。「北の国を想い、この出国を創る。」そしてもう一つは「この靖国を想い、この軍国を創る。」。「北の国...」はもちろん「北朝鮮」のことだ。小泉首相には曽我さん一家が単なる"得票の材料"にしか見えないのだろう。ところで、東京九段の靖国神社では「みたままつり」が開催される。無党派有権者の投票率が上がると自民党が不利になるので多分、首相はこう言いたいはず。「投票日は家で寝てるか海山にさっさと出かけなさい。ただし、靖国参拝だけは忘れないように」と。
(東京新聞「本音のコラム」04.7.11)


■ 換骨奪胎 2004年07月04日(日) 
 自民党のポスター「この国を想い この国を創る」は間違いなので「あの米国を想い この属国を創る」と"添削"して正して差し上げたところなんと安倍晋三自民党幹事長から「通告書」という名の「脅迫状」が送りつけられた。すでに「こちら特報部」でも大きく取り上げているのでご存じの方も多いと思うが、聞けば自民党に不利な批判をするジャーナリストたちを軒並み、通告書で威嚇しているらしい。これは明らかに言論弾圧であり見過ごすわけにはいかない。私が添削した作品は国民の誰もが感じていることだけに真実を突かれた自民党は大いにたじろいだにちがいない。江戸時代からの伝統的批評手段である「換骨奪胎」(かんこつだったい)は「古人の詩文の語句や構想に手を入れ、少し変えながら、その着想・形式などをぬすみ、まねて自分の詩文にすること。」(岩波国語辞典)、まさにパロディーの真髄なのだ。批評・研究・報道などの目的のためなら他人の著作物を引用できる、と著作権法上でも認められている。「著作権違反だ。名誉棄損だ」という安倍幹事長の言い分はデタラメな主張だと言わざるをえない。小泉首相にあえて忠言しておこう。「人生いろいろ パロディーもいろいろ。この程度の茶化しなら大したことではない」くらいのユーモアで切り返しなさい、と。
(東京新聞「本音のコラム」2004.7.4)


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