■ ドギーバッグ
2004年03月28日(日)
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先日、熊本訪問の際に友人ら数人と2台の車で今、人気上昇中の大分県の観光地、湯布院に出かけ、ちょっと気の利いた土産物店が軒を連ねる街を散策した。予約しておいた和風の温泉宿に着き、飲めもしない日本酒の熱燗をチョコ3杯飲み、すっかり上機嫌で夕食をたらふく食べて大いに満足した。近くの池で捕れたやまめの甘露煮まで箸を付ける余裕もなく5人が一匹丸ごと、あわせて5匹残してしまった。「これ包んでくれますか?」と旅館の女将に頼んだところ意外な返事が返ってきた。「あのォー、お客様、申し訳ありませんが保健所から食中毒防止のためお持ち帰りは禁止されておりまして、、、」。どうにも腑に落ちないので後日、大分県庁に電話してみた。地域保健係の担当者が「たしかに指導はしていますがすぐに腐るとは思えない甘露煮までダメとは決めていません」ということだった。アメリカでは「お持ち帰り」のことを「ドギーバッグ」と言い、非常にポピュラーだ。飽食文化の代表格的なアメリカが残した食べ物を大切にしているのだから、わが国の外食産業や旅館組合などはもっと積極的に「ドギーバッグ」を啓蒙したらいい。ここだけの話だが実は前述の5匹の甘露煮を女将さんには内緒で自前の袋に入れて持ち帰ってきたのであります。 (東京新聞「本音のコラム #57」 2004/3/28)
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