本音のコラム

■ 学歴詐称? 2004年01月25日(日) 
 今まさに渦中の人、民主党の古賀潤一郎衆院議員の「学歴詐称疑惑」問題だが、大学側の「卒業はしていない」という発表により、どうやら疑惑は深まった、というより詐称の誹りは拭えそうもない。もったいないよねぇ、せっかく当選したのに。そこで古賀さんにあえて言いたい。「勘違いだった」という弁解は通用しないよ、と。選挙公報には「卒業」とは書いていないのにマスコミのアンケート調査に対しては「卒業」のところに○をつけてしまった。ウソをつかずに「留学」としておけば良かった。聞けば卒業のためには15単位が不足しているんだとか。ならば、ここは潔く辞職して、あらめて大学に入学したらいい。専攻課目は日本では絶対に学べない「日米卑屈同盟論」とか「ブッシュ政権のカラクリ」あるいは「マイケル・ムーア監督の講義"アホでマヌケなアメリカ白人政治家"」さらに「9/11事件と石油利権の相関性理論」といった国際政治の神髄を学んできて欲しい。場合によっては「米国新大統領の秘書」という貴重な体験も可能かもしれない。まっ、これは冗談だが、大事なことは不足分の単位をしっかり取得して卒業だけはすることだ。帰国したら「国会議員学歴詐称調査委員会」を立ち上げて自らの体験を活かす特別委員として徹底調査に尽力してもらいたい。
(東京新聞「本音のコラム #48」 2004/1/25)


■ 歓呼の声に... 2004年01月18日(日) 
 「♪歓呼の声に送られて...」。太平洋戦争勃発の際に当時の政府が国民の戦意を煽るために作った出征兵士を見送る歌の歌詞だが、どうやら小泉首相はイラク派遣の陸上自衛隊員を讃え、元気づけるために、この歌を国民に強制的に歌わせたいらしい。ところが「笛吹けど踊らず」にいささか困惑気味のようだ。とは言え、ブッシュ親分に恫喝されたくないので「何がなんでも派遣ありき」を貫こうとしている。
 実は私は一昨日の17日、約一ヶ月の「ブッシュ政権の動向調査・取材」を終えて米国から帰国したばかりなのだが、あらためて軍隊の海外派遣に対して日米の国民感情の違いに驚かされる。ほとんどのアメリカ人は「ブッシュの言っていることはおかしいところがたくさんあるが石油の利権が国益につながるのなら多少の兵士の犠牲もやむをえない」と思っている。それに対して、わが国はどうだろう。「国益」あるいは「お国」のために自衛隊員が死んでもいい、なんて国民は思っていない。最近の小泉首相の顔を見ていると何となく大本営発表を行った東条英機元首相を思い出す。それにしても自衛隊員の迷彩服の背中の日の丸はまずい。「ここを狙って撃ってくれ」と言わんばかりだからね。
(東京新聞「本音のコラム #47」 2004/1/18)


■ エノラ・ゲイ 2004年01月11日(日) 
 広島・長崎に原爆を投下した、米爆撃機B29「エノラ・ゲイ」の展示方法が問題となっている。米国立スミソニアン航空宇宙博物館の新館(米バージニア州)に機体だけが展示され、被害状況の解説文がカットされてしまった。
 「原爆投下が戦争終結を早め、日本での地上戦をくい止め、多くの米兵の犠牲を出さずに済んだ」。こんな原爆投下正当化論がまたぞろ台頭している。9・11事件で崩壊した世界貿易センター跡地をグランド・ゼロ、つまり「爆心地」などと呼ぶアメリカ人の無神経ぶりには、いささか辟易(へきえき)とさせられる。だが彼らには、原爆や大空襲で大きな被害を被った日本人の気持ちなどを理解する洞察力は、ないのかもしれない。

 小型核爆弾の開発にうつつを抜かす米国とブッシュ米大統領に、「石油の利権のためならどこまでもご一緒させてもらいます」という情けない態度の小泉首相に対して、日本国民も情けない気持ちでいっぱいなんであります。

 ところで大きな声では言えないが、バグダッドに電撃訪問したブッシュ大統領が実は、劣化ウラン弾の放射能汚染を受けた−。つまり「被爆」したらしい、という話が密(ひそ)かに米軍関係者の間で流れているという。小泉首相もイラクに「時差訪問」してみてはいかが。


過去ログ
2003年03月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月 12月 
2004年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月 12月 
2005年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月 12月 
2006年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 11月 12月 
2007年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月 12月 
2008年01月 02月 03月 04月 06月 09月 10月 11月 12月 
2009年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 12月 
2010年01月 03月 09月 10月 11月 12月 
2011年01月 02月 03月 05月 08月 
2012年09月 
Copyright Mad Amano. All rights reserved.