本音のコラム

■ 中曽根老人党 2003年10月26日(日) 
 「総理・総裁をやった人間に対し、突如として現れ爆弾を投げるようなもの。これは政治的なテロだ。選挙という目前の利益だけで、ものを動かすのは大きな誤りだ」と中曽根元首相が引退勧告をした小泉首相のやり方を批判した。"政治的なテロ"とは話が穏やかでないが、よく考えてみると中曽根さんも首相を務めていた時に同じような手口で政敵をつぶしてきたのではなかったか。"政治は一寸先が闇"ということを大ベテランの中曽根さんが知らないわけがない。小泉首相の打つ手が読めなかったとしたら、やはり年には勝てない、つまりボケたなぁ、という印象はぬぐえない。「私にはやり残した仕事がある。教育と憲法だ」とおっしゃるけれど、つまるところ「教育勅語と徴兵制の復活」なんでしょ?この2大プロジェクトの完成を見るまでは死んでも死にきれない、ということなのだろうが、それなら現役の政治家にこだわらずに日本帝国右傾化研究所でも設立して所長に納まればいい。ま、これは冗談だが中曽根さんが本当に85年の人生を自民党のためにではなく、この国に捧げるつもりなら真面目に進言したい。「小泉内閣を支持しない。政権交代を実現させよう」と主張する<老人党>に今すぐ入党なさるべきだ、と。ただし、なだいなださんがOKするとは限らないが...。
(東京新聞「本音のコラム #35」 2003/10/26)


■ 死人が出るぞ! 2003年10月19日(日) 
 「死人が出るぞ」とは物騒な話ではないか。道路行政に関する政・官・業の癒着のウラ情報を知り尽くしている藤井道路公団総裁が発した言葉は自民党道路族をパニックに陥らせているらしい。利権を漁った議員の実名が暴露されたら自民党自体が潰れかねないからだが、もしかしたらそれを最も恐れているのが小泉首相自身なのではないか。その証拠に首相官邸はただひたすら「藤井悪玉」VS「石原善玉」のイメージ作りに励んでいる。ここで腑に落ちないことが一つある。いずれ解任されるであろう藤井氏の後任人事だ。総裁は民間から、と語る首相だが実は水面下で元建設省事務次官の小野邦久・不動産適正取引推進機構理事長の名が取りざたされている。道路族の超大物、故・竹下登元首相に寵愛され、青木幹雄・自民党参院幹事長の子分的存在でもある小野氏。三人とも選挙区が島根県というのは何かの偶然だろうか。ここで大問題なのは、恐らく決定済みであろう「総裁は小野」ということを小泉首相がひた隠しに隠していることだ。選挙中にこのことがバレるとただでさえ不利と言われている衆院選の敗北は加速度を帯びてしまうからだ。そこで公団民営化推進委員の「猪瀬直樹氏を総裁に任命する」などと青木氏に逆らって奥の手を使うかも知れないよ。
(東京新聞「本音のコラム #34」 2003/10/19)


■ 議員定年制 2003年10月12日(日) 
 人気タレントのおすぎとピーコさんが自民党の「議員73歳定年制」について語るとしたらどうだろう。歯に衣着せぬ辛口の批評が機関銃のように飛び出してくるに違いない。そこで<架空対談>を試みることにした。
 「塩ジイこと塩川前財務相が81歳、あの野中広務元幹事長が77歳で政界引退を決めたのに84歳と83歳の政治家はまったく辞める気配すらないじゃない」「中曽根さんと宮沢さんでしょ。この二人、"老害"なんて揶揄されてるのに議員の椅子に座りつづけてるのよね」「しがみついてる、と言ったほうが適切じゃないかしら」(笑い)「たしか、自民党の規約で定年は73歳って決まってるはずなのにね」「党に貢献した総理総裁だからという理由で特別待遇なんだって」「ムダなアクアライン高速有料道路を作ったりして国民に貢献したとはお世辞にも言えないけど」」「高齢のため引退する自民党議員は24人もいるのに...」「小泉さんだけが"老害"に引退勧告できる立場なのに
どうやらメスはあてられないみたい」「黙っていても、そう長くは生きていないだろ
う、なんて計算してるのかもね」(笑い)「構造改革をやる気ならまず、この二人をリ
ストラすることよね」「そうよ、そうよ」
(東京新聞「本音のコラム #33」 2003/10/12)


■ 官邸は危険地域? 2003年10月05日(日) 
 春に完成したばかりの首相官邸の敷地内にブルドーザーが入り、地面の掘り起こしが始まった。コンクリートの上に高級タイルを敷き詰めた玄関先のクルマの引き寄せも無惨に掘り起こされ、がれきの山と化している。今月17日に来日するブッシュ大統領のために整地する必要があったのだろうか。いや、どうもそうではないらしい。なぜならばブッシュ大統領が立ち寄るはずもない永田町の自民党本部の玄関先までが掘り起こされているからだ。期末の自治体の公共工事じゃあるまいし、予算消化のための駆け込みということもないだろう。しかも、解散・総選挙を控えて政界はかなり色めきだっているというのに、だ。実は掘り起こしの作業員はイラクに派遣が予定されている自衛隊の特殊部隊だという。作業はかなりキケンなもので場合によっては死傷者も出る恐れがあるという。危険地域には派遣を見合わせるかもしれない小泉首相が自身の身の危険のためには早々と自衛隊を出動させている。照明が明々と照らされている深夜の工事現場を向かいの高層ビルから双眼鏡で覗いたのだが、そこには思わず目を覆うような恐怖の光景が繰り広げられていた。敷地内のあちこちに何と直径30センチほどの"田中真紀子議員の顔付き地雷"が埋められていたのだ。
(東京新聞「本音のコラム #32」 2003/10/5)


過去ログ
2003年03月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月 12月 
2004年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月 12月 
2005年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月 12月 
2006年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 11月 12月 
2007年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月 12月 
2008年01月 02月 03月 04月 06月 09月 10月 11月 12月 
2009年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 12月 
2010年01月 03月 09月 10月 11月 12月 
2011年01月 02月 03月 05月 08月 
2012年09月 
Copyright Mad Amano. All rights reserved.